右:ライフネット生命保険株式会社 上級執行役員 (管掌 IT戦略部/システム企画部/システム運用部/データサイエンス推進室)の横澤淳平氏
左:ライフネット生命保険株式会社 システム企画部 開発グループの野手春輔氏
Ivanti Neurons for ITSM
ITとその先のためのサービス提供をモダン化します。
業務の実態を可視化し、PDCAサイクルによる業務改善と効率化を目指す。
右:ライフネット生命保険株式会社 上級執行役員 (管掌 IT戦略部/システム企画部/システム運用部/データサイエンス推進室)の横澤淳平氏
左:ライフネット生命保険株式会社 システム企画部 開発グループの野手春輔氏
「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」をマニフェストに掲げ、インターネット専業の新しい生命保険会社として、旧来の生命保険における“常識”をくつがえす取り組みを続けてきたライフネット生命様。テレビCMでも知られるとおり、お客様自身で最適な保険商品を選べる、シンプルで手ごろな生命保険の提供を目指しています。
同社で社外向け/社内向けのITシステム全般を統括する上級執行役員 (管掌 IT戦略部/システム企画部/システム運用部/データサイエンス推進室)の横澤淳平氏は、「開業から16年目が経ちましたが、ベンチャーマインドを持ち続け、これからも先進的な取り組みを、他社に先駆けてやっていきたいという思いがあります」と語ります。
ライフネット生命様では、社内向けITサービスをシステム部門が担当しています。社員からのさまざまなITサービスの申請、ITに関する問い合わせ、インシデントといった情報は、すべてシステム部門に集約され、対応するかたちとなっています。
しかし、以前は申請や問い合わせごとに個別のツールが導入されていたため、「業務効率の良いシステムにはなっていませんでした」と横澤氏は説明します。稟議ワークフロー、Webフォーム、メール、チャットといった、ばらばらの“窓口”から送信され、それを受けたシステム部門のスタッフが、窓口によっては手入力でサービスマネジメントツールに登録していくかたちでした。
システム部門に所属する野手春輔氏も、入社した当時の印象として「どの申請のときにどのツールを使えばいいのか、ユーザー(社員)視点で見てわかりづらいなと感じました」と明かします。“わかりやすく、便利に”をマニフェストに掲げる一方で、開業以来、施策のスピードを重視してシステム構築を重ねてきたひずみから、社内のITサービス管理は複雑化し、ユーザーにとって不便なものになっていました。
加えて横澤氏は、経営の観点からはさらに大きな課題もあったと指摘します。
「社内のIT統制を高度化していきたいと考えていたのですが、そこで課題となったのが『ITサービスの状況が可視化されていないこと』でした。業務としてはなんとなく(問題なさそうに)回ってはいるものの、ユーザー部門は不満を持っていて、一方でITの現場は『ベストエフォートで頑張っている』と考えている。現状が可視化されていないために、今のままで良いのか悪いのか、改善が可能なのかどうか、それすらよくわからない状態が続いていました」(横澤氏)。
こうした課題を解決するために、ライフネット生命様では2022年の夏ごろから、社内ITサービス管理業務の改善プロジェクトを開始します。ITSMツールの刷新を決め、同年10月ごろからは、具体的な製品選定やPoCも進めました。候補に挙がったITSMツールは国内/海外製品を含めて多数あり、PoCは4製品で実施しました。
これまで使ってきたツール群の統合を念頭に、ツール選定時には「ITサービス申請だけでなく、問い合わせやインシデントの情報も一元化できること」「従来の入力フォームに合わせてカスタマイズできること」「利用しているシングルサインオンシステムでユーザー認証ができること」といった要件を重視しました。
こうした基準で複数製品を比較検討した結果、選ばれたのが「Ivanti Neurons for ITSM」(以下、Ivanti Neurons)です。上述した要件に加え、他のツールと比べて“わかりやすく、便利”が実現できるツールでした。
「PoCで触れてみてまず感じたのは、ユーザーに提供するポータル画面が直感的にわかりやすく、使いやすいということでした。また、ワークフローも含めてカスタマイズ性が高いことも魅力でした」(野手氏)
さらにライフネット生命様では、新たに導入するITツールはエンジニアの運用負荷が少ないクラウドツール、SaaSを優先する方針をとっています。Ivanti Neuronsは、そうした希望も満たすツールでもありました。
2023年4月にはIvanti Neuronsの導入プロジェクトを開始し、ITサービス申請、IT部門への問い合わせ、インシデント対応と段階的に、Ivanti Neuronsへの移行を進めていきました。すべてを統合し、本番稼働がスタートしたのは2023年8月。4カ月という短い期間で導入が完了したのも、Ivanti NeuronsがSaaSのツールだったからです。
Ivanti Neuronsの導入後、社員に行ったサーベイでは「どこから申請すればよいのかわかりやすくなった」と、一定の評価が得られているといいます。
また、経営の観点から必要としていたIT統制の高度化についても、ITサービスの運用状況がデータとして蓄積され、ダッシュボードで可視化されるようになったことで、PDCAサイクルで改善していくための準備が整いました。
「たとえば月単位、年単位でどんな種類の申請がどのくらいあったのか、インシデント対応がどのくらいの時間で完了しているのか、といった現状が数値化され、一目でわかるようになりました。今後、こうしたデータを経営陣向けに報告し、改善目標を立てたうえでPDCAサイクルを回していく計画です」(横澤氏)
さらに、ITサービス運用をIvanti Neuronsに一元化したことで、IT部門における改善のアイデアも出やすくなるのではないか、と期待しているといいます。「たとえば『ワークフローのこのステップで時間がかかっているから、ここを改善しよう』といった具合に、意見も交わしやすくなると思います」と横澤氏は説明しました。
また、ヘルプデスク業務にIvanti Neuronsを利用することでナレッジが蓄積されていくため、将来的にはそれを「よくある質問と回答」というかたちで社内公開することも検討していくと語りました。同社では現在、社内向けにLLMの生成AIを提供しており、このシステムにナレッジを連携できればさらに便利になりそうです。
「ITSMの導入は計画どおりに進みました」と語るライフネット生命様ですが、今後の展開はどう考えているのでしょうか。そう質問したところ「次はIT資産管理ツールとして『Ivanti Neurons for ITAM』の導入も検討していきます」と答えました。
「Ivanti Neuronsプラットフォーム上にすべての情報がまとまっていれば、ITサービス申請やインシデント管理の業務でも、IT資産の情報とひも付けることで、より効率的に業務ができると考えています」(横澤氏)
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