2019年4月現在、Windowsの最新バージョンであるWindows 10は、ある程度の法人導入が進んでいます。その一方、2世代前のバージョンにあたるWindows 7でのシステム運用を行っている企業は、未だ少なくありません。サポート期限が迫っているWindows 7を使い続けると、セキュリティリスクなどの面で問題が生じる可能性があります。そこで今回は、Windows 10への移行を急ぐべき3つの理由に加え、移行に向けた準備についてお話します。

“サービス型”になったWindows

Windows 10は、継続的なアップデートが実施されるサービス型のOSです。買い切り型の旧バージョンに比べ、一度導入すれば長期にわたって使用可能。バージョン移行などの手間も省けるようになりました。またOffice365と統一する目的で、サービス提供モデルの名称もCBB(Current Branch for Business)からSAC(Semi-Annual Channel)へと変更されるなど、これまでとは違ったOSに仕上がっています。

サービス型のメリットとして挙げられるのは、新バージョンが登場する度に、OSを購入する必要がなくなることです。例えば、Windows XPからWindows 7へのアップデートには、Windows 7に用意された6つのエディションのどれかを購入する必要がありました。対するWindows 10は、この先も継続的な無償アップデートを予定しています。OSの購入が不要になるとともに、常に最新版を使用できるのが魅力です。

企業・組織でのシステム運用に関しては、バージョン移行にともなうトラブルの発生リスクが軽減されます。バージョンの統一により「PCが起動しない」「アプリケーションが動かない」などのトラブルが発生しにくくなり、安定的かつ長期的なシステム運用ができるようになりました。上記点を踏まえても、Windows 10はビジネスユースに適したOSだといえるでしょう。

Windows 10に早く移行すべき3つの理由

Windows 10が2015年に発売されてから、2019年で4年が経過しました。ある程度の普及が進む一方、現在でもWindows 7などの旧バージョンを使用している企業・組織は少なくありません。しかし、この先も安定的なシステム運用を続けるためには、早い段階でWindows 10に移行することをおすすめします。その理由は3つです。

Windows 7のサポートが2020年に終了

幅広いユーザーに支持されてきたWindows 7は、2020年にサポートの終了が決まっています。以降もWindows 7自体を搭載したパソコン・端末は動きますが、ソフトウエアアップデートによるサポートが受けられなくなります。特にセキュリティ面が脆弱になるため、そのまま使用するのはリスクがともないます。機密事項を含んだデータを処理したり、クライアントPCを操作する企業であれば、業務そのものにも問題が生じるはいうまでもないでしょう。

2019年は移行サービスの駆け込み需要が倍増

2019年は、Windows 7のサポート終了前年にあたる年です。それにともない、同年は急ピッチでWindows 10への移行を進める企業が増えると予想されます。また一定規模の企業・組織の場合、サポートやシステム設計・変更なども必要です。エンジニアや関連企業への需要が集中するため、場合によっては移行サービスを受けられないまま、旧バージョンのサポート終了を迎える可能性があります。

実際、2014年4月にWindows XPのサポートが終了した際には、システム移行への認識の甘い企業・組織・自治体が少なくありませんでした。サポート終了までに移行が間に合わず、大きな損失を生んだ企業もあったといいます。

「パソコンのOSを変えるだけ」と考えている方がいるかもしれませんが、規模が大きいほど基幹システムの改修・ソフトウエアの変更など、やらなければならないプロセスが増えます。費用や社内のリソースを踏まえ、できるだけ早く移行プロジェクトを立ち上げましょう。

一斉移行には時間がかかる

企業・組織レベルで一斉移行する場合、事前の調査や検証、また発生した不具合やトラブルの処理なども含めて相当な時間がかかります。大規模なシステム変更ともなれば、年単位でプロジェクトを進めなければなりません。

Windows 10は、比較的多くの旧バージョン向けソフトウエアや端末に対応するOSですが、旧バージョン向けに組まれたシステムが確実に動作する保証はありません。システム運用に問題が生じる可能性もあるため、早い段階からプロジェクトの立ち上げをおすすめします。

Windows 10への移行に向けた準備

Windows 10への移行作業は、OSを購入して端末にインストールするだけではありません。企業規模や業種によって、事前に行うべき準備内容が異なります。ここではWindows 10へ移行するための準備についてご紹介します。現時点でWindows 10への移行準備をはじめていないご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

弊社のホワイトペーパーでもWindows 10への効果的な移行およびアップグレード戦略について、OSの移行を成功させるための手順についてご紹介していますので、是非ご覧ください。

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規模環境に合わせたスケジューリングを

旧バージョンからWindows 10へと移行する際、最初に取りかかるべきプロセスがスケジューリングです。規模環境や業種、また使用するシステムによって、移行にかかる期間は異なります。絶対に正しいといえるスケジュールはないため、情報収集をしながら適切なスケジュールを模索しましょう。

企業のシステムをWindows 10へ移行する場合、一般的に大規模環境なら9ヶ月、中規模環境なら6ヶ月、小規模環境で3ヶ月はかかると見るべきです。PC対応状況や互換性の検証に加え、トラブル対応なども含めた場合の目安期間になります。

前述したように、2019年はWindows 7サポート終了の前年にあたります。エンジニアやサポート企業への需要が高まり、想定以上の期間がかかる可能性も否定できません。よって、かなり余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。Windows 10の法人導入については専門家が詳しいため、スケジューリングのポイントなども踏まえて相談すると良いでしょう。

最適なアップデートモデルの選定

Windows 10では、SACT・SAC・LTSBといった3種類の機能アップデートモデルを提供しています。それぞれの特徴とイメージは以下の通りです。

・SACT: 4ヶ月毎に自動アップデートが行われる最新モデル

・SAC:SACTから4~8ヶ月遅れでアップデートが行われる企業向け最新モデル

・LTSB:定期的な機能アップデートを適用しない固定化モデル

上記から最適なモデル選ぶことになりますが、ほとんどの企業がアップデート初期に起こるトラブルを防ぐため、SACあるいはLTSBを選ぶことになるでしょう。社内パソコンならSAC、Windows Enbeddedといった特定用途のデバイスならLTSBと使い分けるのが基本です。この点も専門性の高い分野になるため、専門家に相談するのが無難かもしれません。

パソコンスペックの見直しを

Windows 10は、マシンスペックをとても効率的に使用できるOSです。最新スペックのパソコンではなくても、快適に動作するケースも少なくありません。しかし、頻繁なアップデートの影響から、あまりに低スペックなパソコンだと動作しなくなる恐れもあります。将来的なアップデート後も快適に使用できるよう、ある程度パソコンスペックに余裕を持たせることをおすすめします。

また、Windows 7以前にあたる旧バージョンがインストールされていたパソコンの場合、Windows 10に対応していない可能性があります。いざシステムの準備が整っても、使用する端末で正常動作しなければ意味がありません。予めパソコンや専用デバイスのスペックの見直しを済ませておきましょう。

Windows 10のアップデートは専門家に相談!

Windows 10への移行には、相応の時間やリソースが必要となります。しかし、現時点で時間的猶予は残されていません。2世代前にあたるWindows 7のサポート期限は、2020年に迫っています。残された時間は少ないですが、今すぐ動き出せばサポート終了に間に合わせることが可能です。確実に、そしてよりスピーディーにWindows 10へと移行したいのであれば、弊社を含む専門家に一度ご相談ください。

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